アステロイド


変わらないものが夜に増えても君はさがせない

ただ夜の円環を小さな惑星のように彷徨うだけだ

目に見えないアンテナをのばして世界を拾う鉱石ラジオ

砂糖粒のように純粋な涙を流して心を暴く硝子のスピカ

未来を映すのは高速で回転し続ける球体の絵空事

物語の嘘には優しい刺があり

いつか親しい人と見上げた星空は思いのほか青く辺り一面をうめつくす

遠い恒星の名前

電燈に縁取られた淡い光

やわらかな風

飛行機雲の行方

微粒な記憶の堆積

思いがけないほど不埒で優しいリズムを時間は刻み続ける

宇宙の果ての小さな死



もうすぐ約束の時間だ
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